基礎編 9/13
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注意すべきこと
環境による違い




環境による違い

ブラウザソフトは、持ってきた簡単なHTML文章ファイルだけを頼りに、ホームページを画面に組み立てている、と前のページで書きました。考えてみればブラウザソフトとはすごいものですね。そして誰にでも書ける簡単な文章で出来たホームページを、世界中の人に見てもらうことが出来るインターネットという技術も、たいしたものです。

しかし人間の欲は深いもので「もっとこうしたい」「もっとすごい表現をしたい」という希望が出てきます。HTMLは簡単なゆえに、表現出来ることが限られてしまいます。そこにみんなが不満を感じるようになりました。それに対していろんな人や会社が、よってたかって自分勝手に新しい技術を盛り込むようになりました。もともと本当にシンプルな表現方法だったホームページは、こうした流れの中で様々な進化をとげ、そしてまだまだ進化の途中です。
そのため、やっかいな自体が発生しています。それは見る人のブラウザソフトの種類・バージョン、また見ている人のパソコンの種類という「環境の違い」によって、見え方が異なったり全く表示されなかったりするものがある、ということです。例えば下の例を見てください。


Macintosh版NN4.7

Windows版IE5

これはまったく同じページをMacintosh版NNのバージョン4.7とWindows版IEバージョン5.0で見比べたものです。言うまでもなく、文字の大きさがこれほど違って表示されています。また、よく見かけるものに

文字を点滅させる
文字を流す

などがあります。今、NNで見ている人は上の文字は点滅し、下の文字は止まっているはずですし、IEで見ている人は上の文字は止まり、下の文字は右から左へ動いていると思います。これはNNには「点滅」という命令は理解できるが、IEには理解できない、また「流す」という命令はIEには理解できてもNNには理解できないというわけです。

上の文字の大きさの例にしても「スタイルシート」という命令文を書けば、ある程度同じように見せることが可能ですが、そのスタイルシートはバージョン4以降のブラウザでしか機能しません。同じように点滅や文字を流すのもJavaScriptやDHTMLなどの技術で可能ですが、それぞれ実現する条件が異なり、必ず誰にでも見てもらえるわけではありません。
つまり現状では、どの人にも同じように見てもらえるホームページを作ることは、不可能なのです。もし、それを望むとすれば、ページ全てを写真にしてしまうか、世界中の人に「ウチのホームページはWindows版のIE5で見てください」とお願いして回るしかありません。
もちろん、見ている人全員が同じモニタで見ているわけではありません。大型のモニタで見ている人、ノート型の小さいモニタで見ている人もいます。なので面積の大きなページを作れば小さいモニタの人には画面に入り切りませんし、小さいサイズで作ると大きいモニタの人には間抜けなデザインになってしまいます。色数もしかりです。256色環境の人も1670万色の人もいます。

そういうことから、ホームページを作る際には、考えられる最大の違いを考慮してレイアウトを組まなければなりません。それには様々なブラウザで見え方を確認し、大きいモニタの場合・小さいモニタの場合での見え方を確認しながら作るしかないのです。ここがホームページを作る上で、一番やっかいな所でしょう。
現在インターネットはやっと、この「環境による違い」を統一する方向へ動き出しました。最新のブラウザでは、かなりこの違いが収束されてきつつあります。しかし、まだまだ全員が最新のブラウザを使っているわけではありません。逆に今は、同じパソコン・ブラウザソフトでも最新版と以前のバージョンで表示が異なるという、かえってややこしい状態にあります。
文字サイズの違い一つとっても、ブラウザ4以上をターゲットとするなら、有る程度はこの違いも吸収できますが、それにしても「有る程度」です。キッチリ、カッチリデザインしてしまわないで、文字があふれた場合のことなどを考えながら、余裕のあるレイアウトを組むことが必要です。
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