QXD-012
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さて、このIllustratorのDATAをQuarkXPressに配置します。すると悲しいかな、QuarkXPressはIllustratorに書かれたいいかげんなboundingboxの数値を参照して、画像ボックスに配置してしまいます。QuarkXPressは原点が左上ですので、IllustratorのPostScriptに書かれたboundingboxを画像ボックスの左上から表示します。【図10】

これにより、Illustratorのオブジェクトと同じサイズの10mm×10mmの画像ボックスに配置しても、画像はズレて配置されてしまうのです。


【図10】

画像のセンタリング(command+shift+M)を実行しても、センターにする基準はboundingboxの寸法を元にするので(画像ボックスとboundingboxをセンター合わせにする)、多少良くなるものの、やはりズレたままです。【図11】


【図11】

おまけに…。QuarkXPress上に表示されるプレビュー画像は72dpiであるため、これまた1point単位ではしょられます。(1pointは1/72インチなので)つまりQuarkXPress上のプレビュー画像は正確な位置合わせにはまったく役立ちません。単なる目安です。



では、この問題をどう回避すれば良いのでしょう。

●一つの方法は画像ボックスを天地左右均等に拡げてセンタリングし、誤差は気がつかなかったことにする(笑)というもの。最大で2pt未満の誤差であれば約0.7mm以下のズレです。画像ボックスを拡げることで、画像の欠けや、白が出なければ良しとしてしまう方法です。私も今まではこうしてました(笑)。

●次にPostScriptのboundingboxに誤差を出させない方法です。IllustratorもQuarkXPressも単位をpointにし、Illustratorのオブジェクトは原点を必ず整数のpointに来るように描き(ルーラーの0,0を原点に持ってきても可)オブジェクトは整数point値でしか作らない、というもの。しかし、これは現実的ではなく、実際の話、不可能でしょう。

そこで…

●難波さんのお作りになったAppleScript、「justfit!」をお勧めします。justfit!は丸められたPostScriptの数値ではなく、Illustratorに書かれた(Photoshopも可)オブジェクトの実際の数値を読みとり、適当なサイズの画像ボックスに読み込んでも、正しい寸法に画像ボックスを修正(ジャストフィット)してくれます。
使用法はいたって簡単。画像を読み込んだボックスを選択した状態でjustfit!をダブルクリックするだけです。


boundingboxではない実際のオブジェクトにジャストフィットした画像ボックスにしてくれる。

メジャーボックスのオフセット値は、半端な数値を示していますが、これはPostScriptの丸められたboundingboxの数値とIllustratorの実際のオブジェクトとの誤差が現れているだけなので心配ありません。(つまり実際のオブジェクトとboundingboxは、その数値分ズレている、ということです)
またプレビュー画像はズレたままですが、これは前述の72dpiの書き出しのせいなので、PSプリンタ(もちろんイメージセッタでも)でプリントすれば、正しく出力されます。(クイックドロープリンタでは、ズレたままプリントされます)
こんな便利なツールがフリーウェア(無償)でダウンロードできます。作者、難波さんに感謝をこめてありがたく使わせてもらいましょう。

ダウンロード先はこちら。
white room
「Cheep Tools」の中にあります。
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